« August 2011 | Main | October 2011 »

September 26, 2011

ブラボー ボローニャ!ブラボー シラグーザ!清教徒(2011年9月24日)

ボローニャ歌劇場、日本公演
ベッリーニ 清教徒
公演日時 2011年9月24日15時
キャスト
アルトゥーロ(テノール):アントニーノ・シラグーザ
エルヴィーラ(ソプラノ):デジレ・ランカトーレ
リッカルド(バリトン):ルカ・サルシ
ジョルジョ(バス):ニコラ・ウリヴィエーリ
ヴァルトン(バス):森雅史

指揮:ミケーレ・マリオッティ(ボローニャ歌劇場首席指揮者)
演出:ピエラッリの演出から自由に着想を得たジョヴァンナ・マレスタによる演出
管弦楽・合唱:ボローニャ歌劇場管弦楽団・合唱団

この公演、元はF・D・フローレスが予定されていて、僕もフローレス目当てにチケット購入。直前にフローレスが降りてすったもんだ。またカウフマンもキャンセル、リチートラは事故で死亡とメインキャストのテノールが全て出ないというとんでもない公演となってしまった。ただ、代演も立派な歌手を連れてきたし、元々キャンセルの理由が(公式見解ではないが)原発事故なので、日本人としては誰も責められない。あとは、自分の行く公演に満足できるかのみ。また、清教徒は僕が聴いた日以外は新進の高音も軽々出るというセルソ・アルベロが出演。こちらにも興味があった。
さて、今日の代演はシラグーザだが、藤原公演セビリアの理髪師と平行して代演の清教徒の練習を始めてから喉に負担がかかり不調になってしまったとのこと。さらに大阪のリサイタルでは風邪で高熱を発し満足に歌えなかったそう。

第一幕
シラグーザの第一声、ドキドキ。でもいつもの明るいスコーンと抜けた声。まずはホッ。ランカトーレもまずまずいいぞ。どうもシラグーザの今日までの経緯とかを読んでしまったおかげで、元々好意的には見ていたけど、何か関係者になってしまったみたいな気分で心配且つ応援していた。声量は抑えていいから最後まで持ってくれとか、高い声無理に出さないでいいから、ひっくり返ったりかすれたりしないようにとか・・・。
第一幕の最高音(Cis)を無事クリアした時は正直ほっとして、ウルウルしてしまった。
リッカルドのルカ・サルシ、ジョルジョのニコラ・ウリヴィエーリ、ヴァルトンの森雅史はみな好調。


第二幕
狂乱の場。アルトゥーロに裏切られたと思ったエルヴィーラが精神に以上をきたす。ここでの長いアリア。「あなたの優しいお声が」~「いらっしゃい、いとしい方、月が空にかかっています」ランカトーレが美しく素晴らしい。
ランカトーレは低い声が、変声みたいで、そこがちょっと興ざめであるが、高い声はとてもきれい。声量も十分あって見た目もいいので貴重なベルカントのソプラノと思う。二幕の最後はリッカルドとジョルジョのラッパを吹き鳴らせ。この男同士の二重唱がとても良かった。サルシとウリヴィエーリは全体を通し安定していたし、声質も声量もルックスもまさにイタオペという感じで、とても良かった。この二人のおかげで舞台が大変締まったと思う。


第三幕
再び、アルトゥーロ登場。
一幕より歌い方が伸びやか。一幕はペース配分だけでなく緊張もしていたのだと思う。高音は今度はD音が何度か。正直らくらく出ていた感じではなかった。しかし、歌いきった。ブラボー。最後はいきなりと言う感じで喜びの四重唱になるが、ここではランカトーレがびしびし、しかも伸びやかに高音を決めた、ブラヴァー!


指揮は正直、それほどよくわからなかった。オケや合唱は少し荒っぽさを感じたところもあったし、積極性を感じたところもあった。合唱は力強かったと言っていいと思う。

やあ、なんて幸せな公演だったろう。確かにフローレス目当てだったしフローレスが出ないと知っていたらチケットを買わなかったかもしれないが、それでも今日は十分満足している。それは、この公演を作り上げるためのボローニャの努力や、代演を引受けて大変な努力で今日の公演に望んだシラグーザの苦労が伝わったからでもある。
カーテンコールでは、やはりシラグーザとランカトーレに熱いブラヴォーが何度も飛んだ。カーテンコールも何度も繰り返され、スタンティングオベーション。観客と、ボローニャの心が通い合った瞬間。演奏者たちへの感謝の気持ち。シラグーザにブラヴォー!ランカトーレにブラヴァー!、ボローニャにブラヴィー!


| | Comments (262) | TrackBack (0)

September 25, 2011

ちょっと地味な演奏会。東響、大友直人(2011年9月17日)

第592回 定期演奏会
2011 9/17(土) 6:00p.m.  サントリーホール
指揮:大友 直人
チェロ:宮田 大

シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
ブラームス/シェーンベルク編:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25
 
今日のプログラム前半はシューマンのチェロ協奏曲、宮田大のチェロ。
宮田のチェロは男っぽい太い音ではなくどちらかというと綺麗な響き。綺麗というのも透明なかんじでもないし、華奢な感じでもないし、表現が思いつかない。とても自然な音。
シューマンのチェロコン、1楽章は幻想曲風だが、3楽章なんて、ライン見たい。シューマン節が楽しくなって来た。オケのチェロとの絡みも素敵。

後半はブラームス、ピアノ、四重奏曲第一番をシェーンベルクがオーケストラ編曲したもの。
この曲、ブラームスの第五交響曲と呼んだとか呼ばれたなどと読んでしまうとついブラームスの4番までの交響曲と比べてしまうが、グロッケンがけたたましかったりするからやっぱりブラームスとは全然違う。美しかったり楽しかったりするメロディーに溢れているては思うが。

今日の東響を一言で表してみると「ウエルバランス」。
ビオラ、チェロがいい響きだった、バイオリンも美しかった、木管も健闘してた、ホルンもパーカスもと、指を折って数えてみるとほとんどオケ・指揮みんなが良かったと。気持ちの良い演奏でした。

| | Comments (132) | TrackBack (0)

カンブルランのベルリオーズ再び(2011年9月18日)

第50回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2011年9月18日(日) 14:00開演
会場:横浜みなとみらいホール
指揮:シルヴァン・カンブルラン
モーツァルト/交響曲 第40番 ト短調 K.550
ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14
読響/カンブルラン@みなとみらい。

一曲目、モーツァルトの40番、1楽章意外に普通にはじまった。テンポも至って普通。続く2楽章が凄く気に入った。テンポが早いのにとてもエレガント。これもカンブルランマジック?大オーケストラでピリオドの正反対のようなスタイルでありながら
特別なことをしなくても上品で活気に満ちて美しい。これは2楽章に顕著だったが、曲全体を通して言えることだ。上質のモーツァルト。

続く、幻想交響曲。カンブルランの棒が実に丁寧。それに応えるオケもいい。弦楽器の音もしっかり出ているが荒くならない。金管も迫力あるのにうるさ過ぎない。幻想のテンポは丁寧過ぎ?と個人的に思えるところもあったが充実した演奏だった。
次はいつカンブルランの才気に触れられるのだろう?このコンビへの期待が高まる。

| | Comments (117) | TrackBack (0)

カンブルランマジック⁈ベルリオーズ劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(2011年9月12日)

第507回定期演奏会

2011年9月12日(月) 19:00
会場:サントリーホール  
指揮:シルヴァン・カンブルラン
メゾ・ソプラノ:カタリーナ・カルネウス
テノール:ジャン=ポール・フシェクール
バス:ローラン・ナウリ
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史
ベルリオーズ/劇的交響曲〈ロミオとジュリエット〉作品17
この演奏会、ローラン・ナウリの名前を見て行くことに決めた。彼はトリノの椿姫でジェルモンを歌った人だ。
初めて聴く曲だったが、とても変わっている。
ロミオ、ジュリエットの本人役は出ないのだ。だからオペラ的な表現はない。後半、神父がこの悲劇について語るように歌う。
ベルリオーズが、選んだ場面も不思議な気がする。キャプレット家の宴の様子って、選ぶ必要があるのか?前半頭に疑問符が飛び交っていたのだが、後半は俄然惹きつけられた。新国立劇場合唱団。分厚い音と心地良い発音。凄い迫力。ナウリの説得力ある歌声。フランスの香りだなあ。カンブルランのベルリオーズは自家籠薬中の物と言えるのでは。もう自由自在に振りながら読響を完全にドライブ。強奏しても決して音を荒さないところも素晴らしい。

それにしてもこの1日1回だけのコンサートは何と贅沢か?メゾもテノールも第一部のみの出演。ナウリも、合唱は後半だけ。しかし、彼らが本当に効果的だったし、前述の読響や観客も含め、サントリーホールがカンブルランのマジックにかかってしまったよう。この贅沢なコンサート、十二分に楽しむことができた。

| | Comments (68) | TrackBack (0)

September 20, 2011

初みなとみらいです。日フィルコンサート(2011年9月10日)

■ 第270回横浜定期演奏会
2011年 9月 10日 (土) 午後6時開演
横浜みなとみらいホール
指揮:藤岡幸夫
ピアノ:ヴァディム・ホロデンコ
[第4回(2010年)仙台国際音楽コンクールピアノ部門第1位]
ソプラノ:安井陽子
テノール:高橋淳
バリトン:萩原潤
合唱:日本フィルハーモニー協会合唱団
児童合唱:シンフォニーヒルズ少年少女合唱団
リスト:ピアノ協奏曲第2番
オルフ:カルミナ・ブラーナ



今日の演奏会、初めてのみなとみらい。
日フィルの横浜定期はコンサートガイドが充実。奥田佳道さん。話が上手だし、演奏への期待は高まるし、参考になる。

1曲目、リストのピアノコンチェルト。思っていたより聴きやすい曲だった。ホロデンコも元気がなさそうな若者であったがピアノはチャーミング。結構楽しめた。

メインはカルミナ・ブラーナ。テノールの高橋はこの曲ひっぱりだこだそう。
なかなか迫力のある演奏でオケはインキネンとの時よりのびのびしている感じ。合唱がプロでないせいか発音がきになった。(シューシュー聴こえたのはマイナス)人数も多く迫力はあったが。

| | Comments (879) | TrackBack (0)

September 19, 2011

完成度アップ!ゼッダ・藤原歌劇団シラグーザ「セビリアの理髪師」(2011年9月11日)

アルマヴィーヴァ伯爵 アントニーノ・シラグーザ
ロジーナ        鳥 木 弥 生
フィガロ          森 口 賢 二
バルトロ        久保田 真 澄
ドン・バジーリオ    デニス・ビシュニャ
ベルタ          吉 田 郁 恵
フィオレッロ       折 河 宏 治
隊長           羽 渕 浩 樹
合唱/藤原歌劇団合唱部
指揮:アルベルト・ゼッダ指揮
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団

今日の演奏は通常版。
注目は、オケの完成度と9日とのキャストの違い。

まずはオーケストラが、ずいぶんこなれた。ロッシーニの楽しさがずいぶん伝わる。序曲からして軽やかだし楽しい。次に今日の一番の収穫、フィガロの森口賢二。今日のフィガロは楽しいのだ。いやいやこれじゃなくっちゃ。だってフィガロってタイトルロールでしょ?出だしの「町の何でも屋」フィガロ、フィガロと早口で歌いまくる。ここで掴まなくちゃ。はい、今日はしっかり掴まれちゃいました。声量もそうだけれど、やっぱりこのスピード感に対応できなければ楽しさが伝わらない。今日のメンバーはバルトロ、ドン・バジーリオも良かった。この当たりが底上げされると喜劇としてまとまりが出てくる。ロジーナはちょっと声が低くて暗かったな。結構しっかりした声なので、ロッシーニよりヴェルディとかの方がいいかも。今日の歌では、アルマヴィーヴァが偽音楽教師(ドン・アロンソ)に化けた時に歌の練習の場面で歌う劇中オペラ「無益な用心」の中のアリアが一番合っていた。また、この場面が一番ギャグが面白かった。「あなたに平安と喜びがありますように」と歌いながら伯爵が入ってくる。この時の歌い方からしてもうゲラゲラである。歌の練習をしながら、バルトロの目を盗みベタベタといちゃつこうとするが、バルトロが見ると

シラグーザはこの日も絶好調ではないと思うがよく頑張っていた。お客さんも大喝采。シラグーザありがとう!

| | Comments (329) | TrackBack (0)

September 18, 2011

「ゼッダの世界」2011年9月17日

ゼッダさんの指揮を「セビリアの理髪師」以外にも聴いてみたくて出掛けた。


テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ 第3回定期演奏会「アルベルト・ゼッダの世界」
曲目:ロッシーニ(ブリテン編):ソワレ・ミュージカル。
同(コレギ編):フルート、メゾソプラノ、弦楽のためのDodo組曲。

同(レスピーギ編):バレエ音楽「風変わりな店」。
アンコール ロッシーニ どろぼうかささぎ序曲

一曲目、ロッシーニが原曲にしては元気がない。
このオケは昭和音大卒業生を集めてキャリア教育の一環として結成されたそう。言わばセミプロのようなものか。

若い卒業生ばかりのようだから、音楽への共感とか喜びを音にして欲しい。
2曲目は少しマニアック。
ドードーというのは「ねんね」の意味の赤ちゃん言葉だそう。

メゾソプラノの歌もそんなような歌い方。多少音程が取りきれていないところがあったが熱唱。歌っている時の表情に余裕があると良い。フルートは技巧が要求されるが大変良かった。
第三曲目。ここに来て、ようやくオケも全開。僕も知っているメロディーが出て来てほっとした次第。
アンコールはどろぼうかささぎ序曲。ゼッダさんが拍手を受けて袖からステージに戻るとそのまま指揮台にあがり、右腕を高くあげてスネアを指すと渾身のドラミングで曲が始まった。そのかっこいいこと!オケもここでは、ノリノリでロッシーニを演奏。そうそう、こうじゃなくっちゃ!ゼッダさんは最後まで立って指揮どころかフォルテシモの時なんて、のけぞって指揮してました。感心と言うより尊敬!是非また来日して欲しいです!

| | Comments (124) | TrackBack (0)

September 11, 2011

意外に合っていたアルミンク/新日フィル、ブルックナー7番(2011年9月10日)

9月10日(土)14:00開演 
会場:すみだトリフォニーホール

■プログラム
ワーグナー作曲 ジークフリート牧歌
ブルックナー作曲 交響曲第7番ホ長調(ハース版、1944)

■出演者
指揮:クリスティアン・アルミンク
先ずはジークフリート牧歌
ワーグナーによる美しく愛らしい小品。

比較的少ない人数で叙情的に演奏。この曲を聞いていると、浄夜を思い出す。和音が近いのかな?
この曲アルミンクとあっているかも。美しく、愛らしく、ワーグナー特有の粘りはさほどなくても構わないし。清々とした良い演奏。

次はいよいよブルックナー、7番。
いい意味で予想と違った演奏。早目のテンポで綺麗な演奏に終始するかと思っていたが、時に遅いテンポでゆったりとオケを鳴らす。しかも意外に重厚。でも、美しく磨かれた音。決してうるさくはならない。そして、アルミンクならではの流麗さがある。

昨日のプレトークで通訳の方が、アルミンクのドイツ語の柔らかさを指摘していたが、なるほど演奏も無骨な純ドイツ流のではなく、ウィーン流の流麗ブルックナーだったと言えようか。またプレトークで、おじいさんがブルックナーと同世代で出自が近いとも話していたので、実はこのアルミンクによるウィーン流のブルックナーこそが本当のブルックナーであると言いたかったのかも知れない。その真意は定かではないが、そう思わせる美しさがあったし、同時にブルックナーらしさもいささかも失われていなかった。
アルミンクとブルックナー、聴く前はミスマッチと思ったが、意外にも相性が良かった。次は同じく美しさの際立つ9番などはどうだろう。

| | Comments (229) | TrackBack (0)

やっぱり楽しいゼッダ、シラグーザ、セビリアの理髪師(2011年9月9日)

藤原歌劇団によるセビリアの理髪師、第一夜。

アルマヴィーヴァ伯爵 アントニーノ・シラグーザ(両日)
ロジーナ         高橋 薫子
フィガロ          谷友 博
バルトロ 三浦 克次
ドン・バジーリオ 彭康 亮
ベルタ 牧野 真由美
フィオレッロ 押川 浩士
隊長 羽 渕 浩樹

指揮/アルベルト・ゼッダ
合唱/藤原歌劇団合唱部
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団

今日は指揮のアルベルト・ゼッダによる新改訂版での上演。ニ幕にロジーナの日本初演となる長大なアリアがある。また今日の上演ではロジーナがソプラノ(高橋薫子)により歌われる。

序曲、最初の音からちょっと変。輝かず響かず。音色もアンサンブルもばたついている感じ。幕が開いても落ち着かなかったが、シラグーザが一声発しただけで空気が一変。もう、声質がアルマヴィーヴァそのもの。でも、今日は絶好調というほどではなかったと思う。アジリタも少し重く高音も軽々といった感じではなかった。それでもさすがセビリアの理髪師マイスター、観客の喜ぶツボを知り尽くしている。日本語のアドリブもコミカルな動作も大受け。
一番楽しんだのはギターを爪弾きながら歌ったセレナード。力が全く入ってないのに声が気持ちよく響いていた。
ロジーナの高橋薫子も健闘。先のアリアも含めよく歌った。声量、音程ともよかった。
男性陣ではフィガロはよく歌ってはいたが、軽みが欲しい。バルトロ、バジリオも重くこれでは笑えない。
それでもやはりロッシーニの音楽の力は偉大で、観ているとやはり笑ってしまう。最後にアルマヴィーヴァの見せ場の高音もめでたく決まり良かった!

東フィルは最初はもたついていたが、徐々に改善。
幕の終わりの重唱の長大なロッシーニクレシェンドが足りなかったのは残念。あのバカバカしさが大好きなので、11日はもっと頑張って欲しい。

| | Comments (133) | TrackBack (0)

September 05, 2011

大満足!大野和士のドン・ジョバンニレクチャーコンサート(2011年9月4日)

レクチャーコンサート
歌劇《ドン・ジョヴァニ》をめぐって
指揮・レクチャー:大野 和士
2011年9 月4日 (日) 15:00
国立音大講堂大ホール
入場無料
<モーツァルト 歌劇《ドン・ジョヴァニ》より>
序曲
第一幕
no.1:イントロドゥツィオーネ 「夜も昼へとへとになりがら」
no.2::レチタティーヴォ・アコンパニャトと二重唱「なんと痛ましいことでょう〜行って、無慈悲な人、行って!」
no.3::アリア「ああ!だれが私に告げてくるでしょう」
no.9:四重唱「お気の毒な方、この人の不貞の心を」
no.10「オッターヴィオ・・・私、死にそう!〜今こそお分かりでしょう」
no.10a「彼女の心やすらぎこそ、僕の願いです」
no.12「ぶってよ、ぶってよいとしのマゼット」
no.13::第1幕フィナーレより
第二幕
no.15::三重唱「あ!しずまれ私のよこしなな心」よ
no.18:「もしあんたがおりこうさんになるらば」
no.19:「暗いところにただひとりでいると」
no.21b「あー神様、の不道徳者は〜人でなしは私をあざむき」
no.23:「ひどい人ですって?—いいえ、あなた!〜おっしゃらないで私のあこがれの方よ」
no.24:第2幕フィナーレより

<出演者>
ドン・ジョヴァニ:高橋 正尚
レポレッロ:大島 嘉仁
ドンナ・アンナ:種谷 典子/藤原唯
ドン・オッターヴィオ:吉田 連
騎士長:狩野 賢一
ドンナ・エルヴィーラ:岩水 美稚子/田宮 実香
ツェルリーナ:厚澤 理奈/吉田 望弥
マゼット:照屋 博史
指揮:大野 和士
管弦楽:国立音大学オーケストラ
合唱:国立音楽大学合唱団

オペラファンになって初めてのレクチャーコンサート。
しかも大野和士指揮・レクチャー。
とても楽しみだったが台風や大雨が少し心配だった。全席自由ということで少し早めについた。
列の結構前の方、一人位ならぎりぎりでも何とかなったっぽいが、天気のせいだったかも。

開演すると、大野氏が挨拶。先日の7月29日のコンサートの合唱協力のお礼としてのマスタークラスを数日引き受けたとのこと。歌手の紹介も大野氏自ら。世界の大野がここまでするのか、と少し驚く。

では今日の感想。
まずはオーケストラ。
オケの編成をみるとほとんどが学生でしかも女性が8割がた。就職難の中、音大行くのは女性が多くなるんだろうな、などと考えつつ・・・。
しかし、このオケがなかなか良い。誰かが突出してよいということでもなく、現に管楽器では小さな傷は何箇所か聞こえた。でも全体として出て着る音は生き生きとしたモーツァルトの音。
対訳を見ていて、歌手の歌うさまを見ていて、それでもオーケストラの響きにふと目線をあげたことが何度もあった。オケの音楽に何度もハッとさせられた。
大野は伴奏もうまくて、歌のつなぎのタイミングがものすごく快い。特に23曲から最後へは本当に音が輝いて、歌との絡みが気持ちよくて感心させられた。

次は独唱陣。

一番気に入ったのはドン・オッターヴィオの吉田 連、声も響き、声量も十分、安定していた。いつか東京文化やどこかで聞くことになるかも。
ドンナ・アンナは二幕目の藤原唯が可愛い声でよく響いた。ドンナ・アンナにしてはかわいらし過ぎる気もしたが。
マゼットと二人のツェルリーナ。照屋 博史と厚澤 理奈/吉田 望弥。3人ともよく歌えていた。僕はドン・ジョバンニの中ではツェルリーナが一番好きなキャラだが、今日は二人とも可愛い声でコケティッシュな魅力をよく伝えていたと思う。

ドンナ・アンナ、種谷 典子、ドンナ・エルヴィーラ:岩水 美稚子、田宮 実香は音程で首をかしげるところがあった。
特に田宮は声量はあったのだが。岩水はもう少しビブラートが欲しい。
ドン・ジョヴァニ:高橋 正尚、 レポレッロ:大島 嘉仁は声量が足りず物足りない。

それにしても、もっと切れ切れで歌もどの位聴けるものか?と思っていたが、もうほとんどオペラ2/3くらい歌っていたのではないか。
大野の指揮に時々挟まるユーモア交じりの解説。
本当に楽しい時間をすごせました!。
(これが無料なんて申し訳ない!!)


| | Comments (538) | TrackBack (0)

September 04, 2011

初インキネン、10数年振りに聴く日フィル、マーラー3番(2011年9月3日)

■ 第633回定期演奏会

2011年 9月 3日 (土) 午後2時開演
サントリーホール
指揮:ピエタリ・インキネン【日本フィル首席客演指揮者】
メゾ・ソプラノ:アンネリー・ペーボ
合唱:栗友会
児童合唱:杉並児童合唱団

【マーラー撰集 Vol.2】

マーラー:交響曲第3番

インキネンは初めて。日フィルも最近縁がなかったので10数年振りだと思う。まあ、初めてみたいなものか。

一楽章 インキネンの指揮を初めて見たが最初は指揮の動作と出てくる音に違和感を感じた。一楽章はかなり大きく腕を振っていたのだが結構ひじを後ろにひいている。振り方も素人っぽくて動きが不自然というか違和感がある。音楽が進むにつれてm慣れてきたが。

二楽章 早めなのかと思うと意外に一音一音を丁寧に比較的遅いテンポで振っている。日フィル弦楽器陣も
透明感をもった演奏。二楽章の最後のことろは磨かれた透明な響きが本当に美しかった。
三楽章 ポストホルンは完璧。こういうことがうまくいくと聴いててテンションあがる。

四楽章 メゾ、ペーポの声、メーンシュ!の第一声より深く響く。今日の出演者の中で一番マーラーへの共感が
感じられた。
五楽章 児童合唱も女声合唱もまずまず。迫力があるといった感じではなかった丁寧に歌っていた。ペーポは続いて好調。
六楽章 さすがに疲れが指揮にもオケにも感じられた。バンダは完璧。聴衆がバンダの高音が決まったのでホッとしていると舞台上のトランペットがいきなりこけて聴衆もがっくり。クラリネットはとんでもない音を出すし、その後のホルンもアップアップ。まあ、傷はしょうがないかとは思うが。でも終わり方は悪くなかった。

指揮者の求めるところかもしれないが、もう少し熱さを感じたかったというのが正直なところ。演奏には満足はしたものの、先日の復活の時の高揚感には乏しかった。


日フィルはずいぶん若い女性演奏者が多かった。ちょっとアマオケみたい。引き振りはN響並に体も動かないし無表情。出てくる音との関連はわからないけれどもう少し乗ってもらった方が僕の好み。

インキネンの指揮は結構遅めのテンポで丁寧に振ってアンサンブルを大切にしている。事前に読んだり、当日のプレトークのイメージではインキネンは早めのテンポでサラッと振るように思えていたのでちょっと印象が違った。
こうなると遅めのテンポの中で管楽器のアインザッツをきっちり合わせるために、お互いに呼吸を合わせるための努力と、指揮者の棒の中でどう音を発していくかの研究がさらに必要。

マーラーは歌(メロディ)にあふれているが、かつてのマーラー演奏は、メロディ一節一節にマーラー節というかデモーニッシュなものや甘ったるいもの諧謔的なものなど、いろいろな味付けがされていたように思えるのだが、最近のマーラー演奏はその辺がサラッとし過ぎていやしまいか?マーラーってどろどろして毒々しくてそれでいて甘美でしかも死の影を感じさせる不吉な何かが必要なのではないかと思ってしまう。

最後に、演奏が終わった後の拍手のタイミングは最近で一番良かった。指揮者の棒が下ろされて、弦奏者の弓も下りてほんの少し間があって拍手。 後に一部からブラボー。これもやけくそ的でなく節度があった。

なれないので、結構厳しく書いちゃいましたが、昼下がりの演奏会として十分に満足しましたよ。

| | Comments (69) | TrackBack (0)

September 03, 2011

大野和士、渾身のマーラー2番復活!(2011年8月29日)

大野が復活を振るというので楽しみにしていた。今最も期待されており、実力者であろう日本人指揮者。今日は大野のサントリー音楽賞受賞記念のコンサートである。当日券も若干あったようだが、2階のRAブロックの一角にずいぶん空席が、と思ったら報道陣が入り皇太子殿下が入場。1月4日のトリスタンの際にもいらしていた殿下は大野と何か結びつきがあるのかも知れない。

さて、復活。
かつてマゼール、ウイーンフィル盤を愛聴していた。今はもっていないが。今あるのはメータ、ウイーンフィルの旧盤、クレンペラー、テンシュテットLSO盤などといったところ。実演は若杉・都響のサントリーホール、マーラーチクルスは記憶にあるが、他に聴いた記憶がない。ただ、国内オケを聞いた記憶は大半なくなっているので、実際のところは定かではない。

前置きが長くなりすぎた。

サントリー音楽賞受賞記念コンサート<大野和士>
8月29日(月)19:00 大ホール
◇曲目
グスタフ・マーラー(1860-1911):交響曲第2番「復活」
◇出演
指揮=大野和士
ソプラノ=並河寿美 アルト=坂本朱
合唱=国立音楽大学、東京オペラシンガーズ
合唱指揮=田中信昭、永井宏、宮松重紀
管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団

1楽章。どんな音が出てくるのか、期待と不安でどきどき。
最初の音、緊張感があり貼り付けている。おお。大野は腕をかなり大きく振っている。ダイナミックで気合が入っていながら、優美さも感じる指揮。 弱音部やテンポを落としたところは緊張感が少し薄れるよう。途中テンポがすごく速くて驚いたところがあった。

1楽章と2楽章の間は大野も座って休憩。譜面どおりか。その間に遅刻客を誘導。

2楽章以下、一音一音丁寧な指揮。オケも渾身の力を込めて演奏。ただ、人数の割りに弦の音は薄め。木管もそれほど達者な印象はなし。トロンボーン、チューバは頑張っていた。ホルンはもっと頑張ってほしい。打楽器軍大活躍、気合の入った演奏。

4楽章 アルトの坂本による原光。可もなく不可もなく聴こえた。
そして5楽章。合唱は最初は座ったまま。何故かバス(の特定の歌い手?)が響き過ぎていてたが精妙な合唱を狙っていたと思う。そして心に残ったのは、合唱の歌の中からソプラノが聞こえて来たところ。自然な感じでふっと合唱の中から浮かんできてそのまま音が着ろがっていく。並河さんの声、ずいぶん響く。後半、合唱が立ち上がったときは大迫力!。5楽章はバンダが登場するが、実にうまかった。もしかして舞台の上よりうまかったのでは?もう最後はオケは息も絶え絶えになりながら燃焼しつくしていた感じ。素晴らしい。ブラボー。

大野はとにかく丁寧に音楽を作る。安易に気分で振っているように感じたところはない。ただ聴きながらふと頭をよぎったのは、大野がもっと機能性が高いオケを振ったらどんなすごいことになっていただろう・・・ということ。シカゴやクリーブランドのような機能性の高いオケを振ったら・・・。
終演後は大拍手。もちろん僕も。最後はオケが引き上げた後も大野だけでカーテンコール。

大満足!次は都響と大野の第九か、チケットとるの大変そう!


| | Comments (95) | TrackBack (0)

« August 2011 | Main | October 2011 »