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October 23, 2011

感涙のメッツマッハー、ブラームス1番(2011年10月22日)

日時:10月22日(土)14:00
会場:すみだトリフォニーホール

#485 定期演奏会

■プログラム
J.S.バッハ作曲(シェーンベルク編) 前奏曲とフーガ変ホ長調『聖アン』 BWV 552
シェーンベルク作曲 管弦楽のための変奏曲 op.31
ブラームス作曲 交響曲第1番ハ短調 op.68

■出演者
指揮:インゴ・メッツマッハー
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団


プログラムの前半は時々寝落ちしていたので何も書く資格がない。
ただ、安い上の方の階はどこへいっても暑くて睡魔に襲われがちだ。
上階の空調も何とかしてよ、といいたい。

何も書く資格がないが、バッハは遅めのテンポでシェーンベルク編にしてはわりとオーソドックスなオーケストラ編曲に感じた。シェーンベルクの管弦楽曲のための変奏曲に面白さを感じていたが睡魔に負けたのは演奏のせいではなく会場の暑さのせいだ(負け惜しみ)

さて、休憩時間もどっぷり自席で寝てると休憩時間も終わり、もう寝ているわけにはいかん。

実はツイッターでリハーサルの模様を読んでいて、まさかのテンポと書いてあったので、興味津々。逆に21日の演奏のツイート・ブログのレビューは読まず演奏会に臨んだ。

1楽章 ティンパニーの連打による序奏部。やや遅めできた。そして提示部はアクセルを踏んだ感じ。メッツマッハーの演奏は早めのテンポのときはリズミカルで、指揮者も踊るような指揮をする。このリズムは面白くて、演奏者も乗りやすいし、アインザッツも揃いやすいと思える。提示部の繰り返しが有ったが、最近は繰り返す演奏が増えているのではないか。これは歓迎。ティンパニーがかっこいい。左手奥のコントラバスも気持ちよく鳴らす。そうこの日の配置は少し変わっていて、Vnは対抗配置で、(時計回りに)1stVn、Vc、Vl、2ndVn。Vcの後ろにCb。

2楽章 今日のブラームスでは白眉。いや、こんなブラ1の2楽章って聴いたことがない。たいていは、1,4楽章に耳を奪われているし、この日も1楽章はノリノリで聴いていた。しかし、もうこの2楽章にノックアウト。ゆったりとしたテンポで奏される。音も小さめの音にコントロール。1stVnの美しさ。磨かれた透明感とでも言おうか?ふとマーラーの音楽が頭をよぎったりして。続くオーボエ、クラリネットも緊張感を引き継ぎ美しい。もう感涙。最後もソロバイオリンとオーケストラの音の消え入るさまが絶妙だった。
このころから、観客は演奏の緊張感に同化していて、楽章間にこそ席はあったが演奏中は客席にも集中力を感じた。
2楽章以降も同じような傾向。3,4楽章はアタッカ気味。4楽章のホルンによるメロディ、第一主題、ともに盛り上がるところなのだがここも精妙にコントロールされたややゆっくりしたテンポだった。4楽章はテンポを結構揺らしているのだが、おもしろいようにオケがついていく。

一番最後で実はこけたのだが、一瞬何が起こったかわからなかった。まあ、本当に最後だし、残念ではあったが、演奏の真価を傷つけるものではないと思う。ただ、このおかげでブラボーは少なかったかもしれない。
いずれにしろこのブラームスを聴けたのは幸せだった。
今後、メッツマッハーには注目していきたい。

追)今年はブラ1をすでに3回聞いているが、どれも特徴が際立っているところがすばらしい。
自由自在のハーディング、熱演ギルバート、精妙メッツマッハーといった感じ。

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プレヴィン・N響のドイツレクイエム(2011年10月15日)

日時:2011年10月15日 (土) 6:00 PM
NHKホール
第1709回定期公演 Aプログラム

ブラームス / ドイツ・レクイエム 作品45
指揮|アンドレ・プレヴィン
ソプラノ|中嶋彰子
バリトン|デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン
合唱|二期会合唱団

N響、プレヴィンによるドイツレクイエム。
プレヴィンは歩行器を押してようやく歩く。指揮台に登るのも難儀。バリトンのジョンソンの手を借りようやく指揮台にあがる姿をみて観客も本当に指揮ができるのだろかと固唾を飲んで見守る。
出てきた音楽は素晴らしかった。オケ、合唱共気合いを感じた。プレヴィンの小さな動きを自発的に汲み取ろうとしている。気合いの入った演奏ではあるが音楽自体は清々としている。さわやかな音楽。
貧民席から、本当にプレヴィンが振っているんだろうかと双眼鏡で何度も確かめた。それ位、指揮者への敬意と慈愛に満ちた音楽だった。
二期会合唱団は人数も揃っていたが、流石の迫力。やはりプロの合唱団は一味違う。合唱の楽しさを堪能。ソリストではバリトンのジョンソンが柔らかく響く声で良かった。中嶋の声、もっと聴いてみたいと感じた。
カーテンコールはかわいそうなので、何度も出てこなくていいよ、と思ったが数回出てきてくれた。プレヴィンさん、お元気で。

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激安に釣られたアンジェラ・ゲオルギューリサイタル(2011年10月16日)

アンジェラ・ゲオルギューといえば世界的ソプラノでわがまま、キャンセルで有名などとあまり良い話もきかない。昨年のロイヤル・オペラの椿姫キャンセルは代役があまりにひどかったためにスキャンダルになって大騒ぎ。しかも最終部だけネトレプコが歌ったものだから、ひがみやらなにやらもあって、ただのキャンセル以上にゲオルギューの株が大きく下がったことは間違いない。
今年の5月のリサイタルが震災影響で延期、この日を迎えたようだが、上記理由で総スカンを食ってほとんどチケットが売れず、初日はサントリーホールで200名くらいを相手に歌ったそうである。

初日の直前より、チケットの投売りが始まりS席定価25000が10,000円に。かく言う僕もそんなに割引したのなら日程も合うし聴いてみようかと思った次第。


ヴェルディ:   歌劇「ナブッコ」より序曲
グルック:    歌劇「パリとヘレン」より  "ああ私の優し情熱が"(アンジェラ)
ヴェルディ:   歌劇「椿姫」より "パリを離れて" (アンジェラ&ボグダン)
ロッシーニ:   歌劇「セビリアの理髪師」より  "ご覧、空しらみ"(ボグダン)
ヴェルディ:    歌劇「運命の力」より 序曲
スポンティーニ:歌劇「ヴェスタの巫女」より  "ああ、不幸な人々を守護する女神" (アンジェラ)
ベッリーニ:   歌劇「清教徒」より  "さあ、おいでこの腕の中に"(アンジェラ&ボグダン)
休憩
ドヴォルザーク:謝肉祭 序曲
マスネ:     歌劇「シュリュバン(ケルビーノ)」より "来たれ愛よ" (アンジェラ)
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より"月に寄せる歌" (アンジェラ)
ロッシーニ:   歌劇「ブルゴーニュノアデライーデ」より "叫べ、おお、自然よ"(ボグダン)
ヴェルディ/ヨハン・シュトラウス編: 仮面武道会カドリーユ
プッチーニ:   歌劇「ジャンニスキッキ」より "私のお父さん" (アンジェラ)
ドリーブ:     歌劇「ラクメより」 ”貴方が知らなかったのよ、
        それは青春の神なのだ" (アンジェラ&ボグダン)

アンコール
レクオーナ: シボネイ
ララ: グラナダ
ヴェルディ: 歌劇「椿姫」より 乾杯の歌”さあ、飲みあかそう"


この日の観客はざっと7、8割は入っていたよう。ゲオルギューは貫禄の歌唱。2曲目でいきなり椿姫よりパリを離れて。この曲で登場したボグダン・ミハイが思いのほか良い。軽めの声ながらゲオルギュー相手に軽々と歌っている。そして次のセビリアからの曲。ちょっと固めだがアジリダテクニックもある。高音もらくらくではないが十分にでる。シラグーザまでのやわらかさはないが、負けず劣らず美声。ふと、ゲオルギューにより大きな拍手をしている自分に気付く。こうなると、ゲオルギューも俄然やる気になってスポンティーからの曲はすばらしかったし、前半最後のベッリーニはボグダンに煽られるかのように大熱唱。
後半はマスネのシュリュバンより "来たれ愛よ"と「ルサルカ」より"月に寄せる歌"が出色。疲れたのかアンコールでは失速。グラナダ等は中域の声量のなさが露呈。アンコール3曲目乾杯の歌、二人とも上ずっていた気が。

バックはイオン・マリン/日フィル。ゲオルギューの奔放な歌によく付けていた。日フィルもヴェルディらしい熱さが出てたかといえば物足りなさもあろうが、管楽器の盛り上がりなど上々の出来だと感じた。マリンの指揮も思いのほか良かった。今日の演奏者はゲオルギューと同郷、ルーマニア出身。ボグダンもイオン・マリンも。5月のコンサートもルーマニアのボグダンと別のテノールを予定していたから、同郷との共演には拘りがあるのかも。
さて、ゲオルギューのこの日の衣装、前半は青のドレス、休憩後は黒、途中から鮮やかなオレンジ。どの衣装もひざ丈でスカートから伸びる足が細い。また、胸が大きくてビックリ。特に後半に着ていたオレンジドレスは胸の谷間がはっきり、こぼれそう。こんなフェロモン歌手とは知らなかった!
投売りチケットを購入して、急参戦したコンサートだったが、いざ来てみれば、立派なもの。芸術性とか議論すれば物足りなさもあろうが、エンターテインメントと考えればまだ十分なオーラもあり楽しいコンサートだった。結果的には安いチケットで聴けて大満足でした!

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少女「サロメ」再び(2011年10月15日)

先日の公演があまりによかったのでできればもう一度聴きたいと思い、帰りがけにチケットセンターに寄ったところまだC席があったので思わず購入。いやー、こんなことは初めて。
二回聴いての印象や聴こえ方の違いを中心に書いてみたい。

2011年10月15日 15:00
新国立劇場オペラ「サロメ」
リヒャルト・シュトラウス

指揮:ラルフ・ヴァイケルト
演出:アウグスト・エファーディング
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

§キャスト§
【サロメ】エリカ・ズンネガルド
【ヘロデ】スコット・マックアリスター
【ヘロディアス】ハンナ・シュヴァルツ
【ヨハナーン】ジョン・ヴェーグナー
【ナラボート】望月哲也
【ヘロディアスの小姓】山下牧子 【5人のユダヤ人1】大野光彦 【5人のユダヤ人2】羽山晃生 【5人のユダヤ人3】加茂下稔
【5人のユダヤ人4】高橋淳 【5人のユダヤ人5】大澤建
【2人のナザレ人1】大沼徹 【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】志村文彦 【2人の兵士2】斉木健詞
【カッパドキア人】岡昭宏
【奴隷】友利あつ子

サロメ:エリカ・ズンネガルド 相変わらず良かった。前回の方が声が出ていたかも知れないが、響きの美しさは変わらず。踊りは前回は右のバルコンだったので背中しか見えなかったが、今回は一通り見えたのでかなり妖艶な踊りだったことがわかった。しかし白眉はそのあとのヨハナーンの首を前にしての美しい音楽。小さい声で繊細に歌われているので、ダンスで疲れた為と思う方もいるようですが、(それもあるかもしれませんが)、繊細な少女の心情告白の場面なので、僕はまったく不足に感じなかった。

ヘロデは特に良さは感じなかったが先日よりは声が出ていたように聴こえた。ヨハナーンは先日よりは声が出て聴こえたので、不満はないレベル。ナラポートの望月哲也は相変わらずすばらしい。この使い方ではもったいないでしょう。早く主要キャストへの登用の検討を望みたい。
オーケストラは先日よりさらによくなっていた。ヴァイケルトはあえて必要であれば、声に被ってもオケを鳴らしきって音楽の山場を作り上げる。この割りきりがすばらしい。歌手がついてきて、遅いがゆえに美しく磨かれた音を奏でてくれるのであればテンポが遅くてもまったく問題ない。

しかし、少女サロメとはいったもののズンネガルドさんは45歳だそうである。まったく信じられない。美貌と演技力、そして歌の表現力のためだが彼女のおかげですばらしい公演となった。

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不発、スーパーコーラストーキョー(2011年10月10日)

スーパー・コーラス・トーキョー特別公演

平成23年10月10日(月・祝) 15:00
新国立劇場 オペラパレス

曲目
モーツァルト:レクイエム ニ短調 《レヴィン版》 K.626
ブルックナー:テ・デウム ハ長調

出演者
ソリスト:
〈モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626〉
 ソプラノ 澤畑恵美/メゾソプラノ 加納 悦子
 テノール 福井 敬/バリトン 牧野正人

〈ブルックナー:テ・デウム ハ長調〉
 ソプラノ 高橋薫子/メゾソプラノ 坂本 朱/テノール 中鉢 聡/バリトン 河野克典

指揮:ヘルムート・ヴィンシャーマン
合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ
合唱:スーパー・コーラス・トーキョー
管弦楽:東京都交響楽団


実は、曲もいいしソリストも揃っている、演奏は都響ということで期待をしていた。
が、どうももうひとつ冴えないコンサートであった。

そもそも、このコンサートは都が文化発信の一環として行ったプロジェクトの中の
ひとつ。この合唱団はわざわざオーディションをしてこのために結成したらしい。
合唱指揮もこの日の指揮も合唱界の大御所らしい。

しかし、主催元を書くと・・・、

主催:
東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、
ミュージック・ウィークス・イン・トーキョー実行委員会
[ミュージック・ウィークス・イン・トーキョー実行委員会構成団体]
公益財団法人東京都交響楽団、(社)日本オーケストラ連盟、
(社)日本クラシック音楽事業協会、(社)全日本合唱連盟

都が音頭をとってその関係団体の共催のような形。
しかも主役が寄せ集めの合唱となると、果たしてだれが
音楽上の責任を負えるんだろうと思ってしまう。

結局、責任の主体もないままに集まって、演奏して終わりみたいに
感じられてしまった。

1曲目のモーツァルト
錚々たる面々をソリストに揃えながら、声は小さいし音楽も迫力がないし
合唱も数だけ。レヴィン版は面白かったが。

2曲目、ブルックナー、テ・デウム
こちらはオケも人数が揃い、迫力も出てきた。
ソロもしっかり声が響いている。
時間は短かったが、テ・デウムはまずまず満足。

指揮者のヘルムート・ヴィンシャーマンはとにかく元気。
80過ぎているが全て立って指揮をしてカーテンコールも普通に歩いて
何度も出てきて。先日のゼッダもそうだがこの元気さ、恐れ入る。


最後に一言。東京都は都響への拠出を減らして、こんなことにお金を注ぎ込まないで
欲しい。
特にコーラス、プロではこの会場付きの新国立劇場合唱団や二期会合唱団のような
高いレベルの団体がいるので、わざわざ都がお金を使ってこれをする必要が
あるのだろうか?と素人乍ら思わずにはいられなかった。

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October 10, 2011

大興奮!理想の少女「サロメ」@新国立劇場(2011年10月9日)

新国立劇場オペラ「サロメ」
リヒャルト・シュトラウス

指揮:ラルフ・ヴァイケルト
演出:アウグスト・エファーディング
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

§キャスト§
【サロメ】エリカ・ズンネガルド
【ヘロデ】スコット・マックアリスター
【ヘロディアス】ハンナ・シュヴァルツ
【ヨハナーン】ジョン・ヴェーグナー
【ナラボート】望月哲也
【ヘロディアスの小姓】山下牧子 【5人のユダヤ人1】大野光彦 【5人のユダヤ人2】羽山晃生 【5人のユダヤ人3】加茂下稔
【5人のユダヤ人4】高橋淳 【5人のユダヤ人5】大澤建
【2人のナザレ人1】大沼徹 【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】志村文彦 【2人の兵士2】斉木健詞
【カッパドキア人】岡昭宏
【奴隷】友利あつ子

今まで聴いてきたサロメはどちらかと言えば、妖婦、強く淫らな女として歌われていて、10代の設定は無視されていたし、どちらかというと強い声で歌われていた。
昨日の新国立劇場公演ではエリカ・ズンネガルドによって、可憐にそして妖しく歌われた。彼女の歌をしばらく聴いて、高音の透明感があって美しくしかもよく響く歌声に大興奮!初めて少女らしい可憐なサロメを聴いた!ズンネガルドはそれなりに大人の女性だが、少女らしい仕草も全く違和感がない。

ヘロデ、ヘロディアス、ヨハナーンは期待外れ。ヘロデは声量が足りず。最後の最後に絶叫していた。ヘロディアスももっと嫌な女の迫力が欲しい。
ヨハナーンは後述するが、井戸からでるとパッとしない。サロメの濃厚演技に絡んではいたが。
一方、ナラポートの望月哲也は素晴らしい。第一声から気持ちよく声が響いていた。

オーケストラは健闘。ヴァイケルトの指揮は比較的ゆっくりのテンポだがもたついた感じはなかった。
メリハリを効かせ東フィルをドライブ。いろいろな音を強調させ、オッと思わせる。盛り上がるところは大音響。歌が入るところは微妙にコントロール。職人の至芸。7つのヴェールの踊りもいつもはバタバタ始まるように聴こえるが、今回はそんな気がしなかった。
むしろ最後は優美な音楽を奏でる。サロメがこんなに繊細に美しく歌われるとは。サロメを聴きながら薔薇の騎士の最後の美しい三重唱を思い出していた。今回のサロメ、再演で前の時に見たし、今年2月の二期会サロィチュニー演出に感動したし、正直パスしようかとも思っていたのだが、来て大正解。
音楽って本当に一期一会、出会いだなと感じました。
追)
今回の公演、ヨハナーンが井戸の中にいる時の声はエコーがかかっている。演出上、効果もあるが、増幅し過ぎてたら反則の気がする。井戸から出た時より中の声の方が楽々響いていたように思えた。サロメ=ズンネガルドも井戸を覗き込んだ時エコーがかかったが、こちらは自然だった。井戸の中ならPA増幅ありなら、皆井戸で歌いたがったりして。こういう歌手が観客から見えない場合、(トリスタンの最初の見張り?の声とか)どういう扱いをしているか知りたい。
オペラ鑑賞ってある意味歌・声比べを楽しんでいて、生声でないと比較にならないから…

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October 09, 2011

歌の饗宴、新国立劇場トロヴァトーレ(2011年10月8日)

指揮:ピエトロ・リッツォ 演出:ウルリッヒ・ペータース
合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

§キャスト§
【レオノーラ】タマール・イヴェーリ
【マンリーコ】ヴァルテル・フラッカーロ
【ルーナ伯爵】ヴィットリオ・ヴィテッリ
【アズチェーナ】アンドレア・エディナ・ウルブリッヒ
【フェルランド】妻屋秀和
【イネス】小野和歌子
【ルイス】鈴木准
【老ジプシー】タン・ジュンボ
【使者】渡辺文智

2011年10月8日新国立劇場、オペラパレス

新国立劇場、トロヴァトーレ。歌手はレベルが揃って水準並み以上と思った。前半は時々歌が平板になるところやオケに埋もれるところがあったが、後半はレオノーラ、ルーナ伯、マンリーコ、アズチェーナとも良かった。指揮は最初テンポが遅くリズムに乗れないところも。
次の曲への間がも悪く、曲間で拍手が何度か入ったが、これも棒の振り方で避けられたと思う。
どうも、音楽のテンポもそうだが、舞台転換の時間や曲と曲の間を含めてもたつきやチグハグ感が拭えない。
また時々、オケも合唱も音が大き過ぎると思うところがあった。
歌手は結果的にはみな健闘。タマル・イヴェリは最初弱いと思うも後半すばらしかった。特に中域の声の力強さ!ヴィテッリは代役とは思えないこなれた歌いっぷり。
フラッカーロ、登場のシーンの歌が良い。ウルブリヒはちょっと若過ぎ?もう少し迫力も欲しいが満足。新国立劇場、トロヴァトーレ。日本人歌手も健闘。
妻屋フェルランド、テンポが遅くてもったいないが手堅い。新国オペラの貴重なバス。ルイス役、鈴木准の声がよく驚いた。イネス小野は少し硬かったがまずます健闘。二期会とか団体に囚われないオールジャパンのオペラも聴いてみたい。

問題の演出、否定するつもりはないが何度も見たいとは思えない。今日のオペラを劇として見る場合、死神は主役四人と並ぶ役。主役4人を外国人で揃えているので、死神だけ日本人では違和感が大きい。死の象徴どころか貧乏神に見えてしまう。この役は外国人にすべき。
また、死をテーマにしてその象徴として死神を出し、ドクロを多用する。死のイメージだろうが多分に安っぽい。遊園地のアトラクションみたい。トロヴァトーレの音楽、歌の中にはすでに十分な死が描かれているのに安っぽくうすっぺらなものにしてしまう。
何はともあれ、歌が主役のこのオペラ、その面では大成功、大満足。なかなか聴く機会の少ないこの オペラの上演に感謝!

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女王グルベローヴァ「ロベルト・デヴェリュー」(2011年10月1日)

公演日時 10月1日(土) 15:00
会場    東京文化会館


指揮:フリードリッヒ・ハイダー
演出:クリストフ・ロイ
美術・衣裳:ヘルベルト・ムラウアー
合唱指揮:セーレン・エクホーフ

バイエルン国立管弦楽団
バイエルン国立歌劇場合唱団

エリザベッタ:エディタ・グルベローヴァ
ロベルト・デヴェリュー:アレクセイ・ドルゴフ
サラ:ソニア・ガナッシ
ノッティンガム公爵:デヴィッド・チェッコーニ
セシル卿:フランチェスコ・ペトロッツィ
グヮルティエーロ:スティーヴン・ヒュームス
ロベルトの使い:ジョン・チェスト
ジャーコモ:ヨハネス・クラマ


この公演、もうグルベローヴァは奇跡と思う。65歳でこの声質、声量。正直。上まできっちり声が出ているとは言えない。でもチャーミングさはいささかも失われていない。
この人は、ホールの空気を捕まえて、そこに声を乗せているよう。だから特に声を張らなくてもホールに声が響き渡る。もう貫禄は女王そのもの(この公演では女社長だが)
しかも、このオペラはエリザベッタは悪役!この年齢でも違和感なし。キャリアの最終盤に堂々と自分の声、年齢にあった作品で主役を張るとは、何とすごいことか。おまけに今回の演出、狂乱しさいごに自分のカツラまで投げ捨てる。そうすると、年相応の頭髪が露わになり、ある意味素のグルベローヴァが現れるわけです。作品への共感と舞台への執念を強く感じました。

グルベローヴァ以外、ロベルト・デヴェリューのアレクセイ・ドルゴフ、サラのソニア・ガナッシも素晴らしかったです。声と共に演技もよくできていたので、また聴いてみたいと感じました。

また、第三幕の暴力シーンは、迫力が有った。特に公爵がサラにロープを持って後ろから迫るところ。映画、ドラマのよう。暴力映画のようなオペラって有りなんじゃないか。
メインターゲットの女性がついて来そうもないからむりか。

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