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November 28, 2011

CD:面白い!初めて聴いたシューマン交響曲4番(初稿版)

今、あちこちで話題になりつつあるヘンゲル・ブロック目当てにCDを購入。
しかし、このシューマンの交響曲の4番自体が面白い。1楽章から「ン?」というところが散見されたが、3楽章はいきなりトランペットが吹き鳴らされ何事かと思う。4楽章も出だしからして驚かされる。
北ドイツ放送響は押しも押されぬドイツの現代オケなのだが、ピリオド奏法を取り入れ実に新鮮。多少人数は少なめに刈り込んであるのだろうか?明るく生き生きした音で、ピリオド専門オケにも負けていない。この辺はヘンゲル・ブロックの手腕か?ただ、このCD、強奏の時の音が悪い。歪んでいるわけではないのだろうがどうも音がつぶれたように聴こえるところがある。シューマンでいえば、1楽章が特に音が悪く、徐々に良く聞こえてくる。そんなことってあるだろうか?何か変だな?
それでもシューマンの4番初稿。ヘンゲルブロック、結構気に入った。ほかの演奏でも是非聴いてみたい。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4178640

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November 27, 2011

十分楽しめたドヴォルザークの新国立劇場オペラ「ルサルカ」(2011年11月26日)

新国立劇場 ドヴォルザーク歌劇「ルサルカ」

【指揮】ヤロスラフ・キズリンク 【演出】ポール・カラン

§キャスト§
【ルサルカ】オルガ・グリャコヴァ
【イェジババ(魔法使い)】ビルギット・レンメルト
【王子】ペーター・ベルガー
【ヴォドニク(水の精)】ミッシャ・シェロミアンスキー
【外国の公女】ブリギッテ・ピンター
【森番】井ノ上了吏
【皿洗い(料理人の少年)】加納悦子
【第一の森の精】安藤赴美子
【第二の森の精】池田香織
【第三の森の精】清水華澄
【狩人の声】照屋睦

【合唱】新国立劇場合唱団 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

ドヴォルザークのこのオペラで有名なアリアは『月に寄せる歌」。最近ではゲオルギューのコンサートで
聴いたばかり。で、家にあるCDを探したのだがなかなか出てこず、ようやく有ったのはネトレプコのアリア集。
これだけ?時折耳に入っていた気がしたが気のせいだろうか?

さて、このオペラは人魚姫のような悲恋物語。水の精であるルサルカが王子に恋をし人間になる代わりに声を失う。王子は名前も語れないルサルカを裏切り、後で後悔するが最後は死の接吻を受けるという話し。さて、このあまり聴いたことのないこのオペラ、楽しむことができるのだろうか?

演出はノルウェー国立オペラ・バレエからのプロダクション・レンタルで彼の地ではヒットしたそう。北欧を感じさせるモダンとぬくもりがある。光の扱いがたくみで水を象徴とする青を貴重に2幕の地上、王子の白の場面では赤を基調として水の場面と対比させる工夫も見られる。美しい舞台

ルサルカ役のグリャコヴァは声量たっぷりの少しふくよかな美人。蝶々夫人の時に初めて聴いたがこの人は少し癖があって押し出すような発声をする。声は十分でるが声質がややこもり気味。また少し太めやや低目の声はこの役にはどうかという思いもあった。それでも発声に関しては蝶々夫人のときよりは聴きやすかったように思う。歌唱は時折何故かプッチーニを思い出させる。
王子役ペーター・ベルガーは明るい声のテノールで、声量も十分あった。容姿も含め良い王子役で満足。1ヶ所高音部を、裏声で出したところがあった。イェジババのレンメルトは容姿が綺麗なメゾ。おどろおどろしい魔女ではなかった。ビブラートが僕の好みよりは細かい感じ。水の精シェロミアンスキー、なかなか良いバス。出番はかなり多く好演だったが途中少し疲れたようだったが最後は復活。三人の森の精、あの体型とそこそこのお年らしいのに良く動き、良く歌っていました。お疲れ様。歌の最後、キャーっと言う嬌声までハモっているのは流石。オケは2幕冒頭でホルン始め集中力を欠いたようだったが、そこ以外は健闘していたと思う。指揮のキズリンクはチェコ出身だが、スラブ風のローカル職の強いドヴォルザークでなくワーグナーからの系譜を感じさせる演奏振りだった。 曲は時々「お、新世界から!スラブ舞曲!」と思わせる。ほかの曲はあまり知らないのだが。
この曲、ルサルカが人間になるのと引き換えに声を失う。そのため、2幕は主人公がずっと声を出さず演技だけ。後半、水の精に助けを求めるところで漸く声を発するのだが、長い時間歌わず、いきなり全開で歌えるって凄い!
今日残念だったのカテコの際、グリャコヴァに執拗なブーをしていた人がいたこと。最初あー、あの発声が合わなかったのかと思ったが、かなりしつこい。その後も主要な殆どの出演者にブーをしていた。ブーをする権利はあるが、意味もない執拗なそれは周りが迷惑する。あんたこそブーだよ。!

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「らしさ」感じたカンブルランの「海特集」(2011年11月25日)

読売日本交響楽団
第543回サントリーホール名曲シリーズ
2011年11月25日(金) 19:00開演
会場:サントリーホール
指揮:シルヴァン・カンブルラン
メゾ・ソプラノ:林美智子
メンデルスゾーン/序曲〈フィンガルの洞窟〉作品26
ショーソン/愛と海の詩 作品19
ワーグナー/歌劇〈さまよえるオランダ人〉序曲
ドビュッシー/海先日のオペラシティはカンブルランにしては今一つの印象だったが、今日はどうだろう。(11/25)
プログラムは19日がドイツ特集とすると、今日は一目瞭然の海特集。
1曲目、フィンガルの洞窟。くっきりとした演奏。冒頭と最後のテーマのテンポはゆったり目。特別個性的ではなかったが、前プロとしては良い演奏。オケも良く鳴っている。
2曲目、ショーソン愛と海の歌。林美智子の歌が楽しみだったが、LAブロック1桁台はほとんど歌が聴けない。声量もやや少な目か。オーケストラにフォーカスして聴いた。色鮮やかな水彩画のよう。伴奏に終始せず、歌を覆ってしまうことも辞さず曲を作っていった。肝心の歌が聴こえなかったので、やや欲求不満が残ったまま、後半期待。
ワーグナー、さまよえるオランダ人序曲。低弦(チェロ・バス)のクレシェンド、ディミニェンドの繰り返しが暗闇にうねる荒波を感じさせる。そのうねりはワーグナーのうねりと言うよりも海のうねりを感じたがどうだろう?先日のマイスタージンガーの前奏曲は面白いようにうねらず粘らずのワーグナーだったが。音楽作りも丁寧で、数小節ごとに厳しい音楽、優しい音楽と表情をつけていく。読響もよく音楽を盛り上げた。管楽器陣も素晴らしい。このような演奏を聴くといよいよ「ピットのカンブルラン」を聴いてみたくなる。最後は期待のドビュッシー交響詩「海」。思えば過酷なプログラムだ。ワーグナーでドカンと盛り上がった後すぐにドビュッシー。曲のイメージが全く違う。海、第一部の冒頭はまだドビュッシーの音でなかったように聴こえる。しかし曲が進むに連れ音色がドビュッシーとしか言えない音に変化していく。マジックみたい!もやっとした光がきらめく響き、ハルサイに聴かれるようなプリミティブなあえて粗野な響き。オリエンタルの渋みを感じさせる響き。カンブルランはドビュッシーを的確に彩り描いていく。ドビュッシーも凄いと改めて思う一方カンブルランも凄いとただただ関心。金管陣がよくがんばったのとシンバル、バスドラが良かった。特に撥で叩いたシンバルが気持ちよい。
カンブルランはやはりフランスものが素晴らしく。フランスものを演奏することによって他への波及効果がでるのではないか(仮説に過ぎないが)今度また、フランスものが入らないプログラムと良く効き比べてみよう。
今日は観客のマナーも素晴らしくフライングの拍手等がなく気持ちよい演奏会となった。

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November 24, 2011

こんなオペラを見たかった!大人向け二期会ドン・ジョバンニ(2011年11月23日)

CAUTION!ネタバレ注意!

《二期会創立60周年記念公演》
東京二期会オペラ劇場
『ドン・ジョバンニ』
オペラ全2幕

字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
会場: 日生劇場
公演日: 2011年11月 23日(水・祝)17:00
指揮: 沼尻竜典
演出: カロリーネ・グルーバー

装置: ロイ・スパーン
衣裳: メヒトヒルト・ザイペル
照明: 山本英明
配役
ドン・ジョヴァンニ 黒田 博
騎士長 長谷川 顯
ドンナ・アンナ 増田のり子
ドン・オッターヴィオ 望月哲也
ドンナ・エルヴィーラ 佐々木典子
レポレッロ 久保和範
マゼット 北川辰彦
ツェルリーナ 嘉目真木子

合唱:二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレイヤーズ

今日は、初の日生劇場。会場に入ってびっくり。内装がガウディ。僕の好きなグエル公園さながら。思わずトカゲを探したくなった。もうそれだけでテンションが上がった!

オペラは序曲の前、雷鳴が轟くそして序曲とともに大雨をさけて怪しい屋敷に入ってきた若い男女が一組。その屋敷こそが時空を超えたドン・ジョバンニの世界・・・。若い男女、現代の普通の男女っぽいし女の子はかわいい。この二人って、ドン・ジョバンニの登場人物?

ドンナ・アンナはドン・ジョバンニに犯されたか?などと議論されたこともあるそうだが、今日の演出だと・・・。そして、普通は薄幸でちょっとしつこい女性、ドンナ・エルヴィーラは今日は確信を持ってドン・ジョバンニに愛を貫く。佐々木典子さんは貫禄の歌唱。ドンナ・エルヴィーラってこんなに存在感のある女性だったのか。ちょっとびっくり。
ツェルリーナ、嘉目真木子は今日の敢闘賞。最初から演技頑張っていたし、今日の結末の象徴のようなところがある重要な役回り。1幕ではちょっと声が硬くて暗いかなと思ったが、2幕の薬屋の音は重要な演技をしながら良く歌えていた。外題役の黒田博はチョイ悪親父というか終始かっこいいし声もセクシー、声量も音程も十二分に満足。この役に人を得たからこそ、この演出が成り立つ、と思う。レポレロは中盤疲れを感じたががんばったと思う。ドン・オッタービオは今回かわいそうな役だが声は軽く良い歌唱。合唱はゾンビ?それともドン・ジョバンニに騙されたきた人たちの生き霊?結構合唱の一人一人まで演技が付いていて楽しかった!
演出はR18指定かな?結構生々しいラブシーンももあり演技も突き抜けていた。日本のオペラじゃないみたい。ちゃんと大人の恋愛になってました。日本のオペラはこれができない不満が常にあったので、このような演技に挑戦してくれていることが本当にうれしい。これぞオペラ!大人のエンターテイメント! それでもこの楽しい演出には結構ブーが飛んでいた、まあ、ブーした人がいても不思議はないと思うけど、僕は十二分に楽しんだからブラボーで対抗しておいた。ついでに、客層のせいか歌手にもあまりブラボーが飛ばなくてさびしかった。あまりに少ないので沢山ブラボーしておきました。
沼尻の指揮は時折もたつきも感じたが、音楽をよくまとめていた。トウキョウ・モーツァルトプレイヤーズもまとまっていたが、ここぞというときにはもっとドラマを盛り上げてほしい。


楽しい演出・演技と素晴らしい歌、大満足でした!ブラボー!!

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November 23, 2011

東京文化会館50周年記念オペラ「古事記」(2011年11月23日)

東京文化会館50周年記念オペラ
黛 敏郎:オペラ『古事記』
日程 2011(平成23)年11月23日(水・祝)14:00開演
会場 大ホール
指揮 大友直人
演出 岩田達宗
出演
イザナギ 甲斐栄次郎(バリトン)
イザナミ 福原寿美枝(メゾソプラノ)
スサノヲ 高橋 淳(テノール)
アマテラス 浜田理恵(ソプラノ)
オモイカネ 妻屋秀和(バス)
アシナヅチ 久保田真澄(バス)
天つ神/クシナダ 天羽明惠(ソプラノ)
使者 吉田浩之(テノール)
語り部 観世銕之丞
風の神/見張りの神 門間信樹(バリトン)
雨の神 清水理恵(ソプラノ)
雷の神 羽渕浩樹(バリトン)
雲の神 高橋華子(メゾソプラノ)
合唱   新国立劇場合唱団/日本オペラ協会合唱団
管弦楽 東京都交響楽団

東京文化会館50周年記念のオペラ。行こうかどうしようか迷っていたが昨日の夜、チケットが手に入ることになり参戦。歌手を見ても二期会のそうそうたるメンバー(一部藤原も)で、ガラコンサートみたい。古事記というだけあって神話時代の話だが、イザナギとイザナミが云々などというのは呼んだことがあるがほとんど憶えていない。原始とか細胞分裂のようなことを思った。また、国の成り立ちの話がこんなに暗くていいのだろうかとも思ったのだが、ほかにお聴きになった皆さんはいかが感じられただろうか?
イザナギの甲斐栄次郎さんはウイーンから。ノーブルな声でした。今日の主役、一番の活躍は高橋淳さん。暴れん坊のスサノオが出雲でヤマトノオロチ退治。アマテラスの浜田さんも活躍。天羽さんはちょっともったいない。もっと歌ってほしかった。日本の神話時代のオペラがドイツ語っていうのも面白い。音楽も現代音楽ほど聴きずらくないが、かといって美しいメロディや楽しいアリアというのもない。この曲ってオラトリオみたいな感じでもできそう。手放しで褒められ楽しめたというほどではないが記念行事としてはなかなか良い体験だった。






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November 20, 2011

男気ラザレフに惚れた!日フィル・ブラ4(2011年11月19日)

■ 第272回横浜定期演奏会
2011年 11月 19日 (土) 午後6時
横浜みなとみらいホール
出演
指揮:アレクサンドル・ラザレフ【日本フィル首席指揮者】
 チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ

プログラム
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲
 ブラームス:交響曲第4番


 前半はドボルザーク、チェロ協奏曲。
 ウィスペルウェイのチェロはスケールが大きい演奏だが飄々と弾いているように見える。指揮やコンマスもしっかり見てアンサンブルも大切にしていたので演奏はまとまりがあった。ラザレフはダイナミックな曲作りではあるが独奏者を尊重。意外にしっかり伴奏していた感じ。
ウィスペルウェイのアンコールは無伴奏チェロ組曲第6番(BWV1012)より第4曲サラバンド。これはより素晴らしい演奏だった。弾いている姿表情は軽々とさらりとやっているように見えるのに出てくる音は美しく音楽は深い。ドボコンより合っていたかも。拍手に応える姿はお辞儀も丁寧で好印象!

後半はブラームスの4番。これはもうラザレフの独壇場。先日のマゼールのように1小節づつ自分の音楽を作り上げて行く。ブラ4の1楽章の最初から体全体を使った熱血指揮。1楽章、2楽章は遅めのテンポで雄大な音楽作り。次はどうするのだろうと、もうワクワク!3楽章は一転快速運転。生き生きとしたニュアンスも素晴らしい。爆音ではないが(ブラームスだし)相当盛り上がってきた。ラザレフの指揮も一層ダイナミックに!そして4楽章。こんなに力強いブラ4の4楽章は初めて。ビックリ。甘美ではあるが同時に枯れたイメージのメロディと思っていたが、さにあらず。内面はふつふつと煮えたぎっているというか・・・。年はとって体は老いてはきたが心のうちは青春の血が滾っておるのだというような・・・・。大げさかな?
この大熱演にこちらは大感動。ブラームスっぽくないと思う方もいたかも知れないが僕は完全にはまった感じ。先日のマゼールと甲乙つけがたい刺激的な演奏だった。ブラ4は枯れた寂しげな渋い曲という印象を持ってたが、ラザレフの指揮では1、2番を上回る熱い曲になっていた。何かに似ていると記憶をたどり思い当たったのがシェーンベルク編のブラームス、ピアノ四重奏曲 第1番 管弦楽版。この編曲、ブラームスっぽくないと思っていたが、意外にもちゃんとブラ4の延長線上にちゃんとあるではないか!これは新たな発見!(わかっている人には今更かも知れないが)

ラザレフ、ステージマナーも茶目っ気たっぷり。袖に戻り次に出てきた時は直接ホルンに向かってホルン他管楽器陣と握手。指揮台に戻ってもオケに向けた拍手をやめない。観客に向かっても拍手。巨匠なのに茶目っ気たっぷり。オケの皆さんも笑顔でお互いに拍手。もうラザレフに惚れた!次も絶対いく!

これだけの熱血指揮の上アンコール。なんというサービス精神!ハンガリー舞曲第21番。こちらも生き生きとした素晴らしい演奏でした。ありがとう!マエストロ!ありがちな2曲のコンサートと思ったが内容の濃い盛り沢山のフルコースでした。大満腹、大満足。


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少し物足りないカンブルラン/読響オペラシティマチネ(2011年11月19日)

第7回オペラシティ・マチネー
2011年11月19日(土) 14:00
東京オペラシティコンサートホール
指揮:シルヴァン・カンブルラン(読売日響常任指揮者)
《マエストロ・セレクション・ポピュラー・ピーシーズ》

ウェーバー/歌劇〈オベロン〉序曲
シューベルト/交響曲 第7番 ロ短調 D.759〈未完成〉
ワーグナー/楽劇〈ニュルンベルクのマイスタージンガー〉から第1幕への前奏曲
R.シュトラウス/交響詩〈ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら〉作品28

フランスもの大得意のマエストロが今日はドイツものをセレクト。正味1時間のコンサートだがこれらをどう調理するか?最初のオベロン序曲。弦を美しく響かせている。結構楽しく聴けた。オペラピットのカンブルランも聴いてみたいと思ったりして。次の未完成、これが一番楽しみにしていた曲なのだが、際立った個性は正直感じられなかった。C席で3階サイドなのだが、オケが見えないことは覚悟していたが指揮者まであまり見えないとは。
こうなると指揮者の意図と棒がわかり辛い。芸劇なら遠くても指揮者は見えるだろうが。
後半はニュールンベルクのマイスタージンガーから第一幕への前奏曲。結果的にこの日はこの曲が一番面白かった。歯切れ良く明晰な演奏。全く粘らないワーグナー。これはこれで面白い。楷書というより撥ねもないどちらかといえばゴシック体?のような演奏。いや退屈なゴシック体ではない。何だろ?もっとポップな書体・・・。
1曲目のオベロン序曲もそうだがカンブルランのオペラ見たいです。
最後はティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら。最初の昔々はゆっくり目で透明な音。ティンパニが芯ののある音が要所で決まって凄かった!トリの曲にしてはもう少し何かして欲しかったが。この曲は夏のMET管特別演奏会で名人芸と迫力ある演奏に感動してしまったのですこしハードルが高くなっていたかも知れない。
全体には悪くはないけどちょっと物足りないような気もしたが、腹八分目ということで良しとしよう。


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楽しめた!お得!北とぴあのコジ・ファン・トゥッテ(2011年11月13日)

北とぴあ国際音楽祭2011
モーツァルト作曲 歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》
(コンサート形式/全2幕/イタリア語上演・日本語字幕付)

出演
指揮:寺神戸 亮
管弦楽:レ・ボレアード(オリジナル楽器使用)

森 麻季(フィオルディリージ/ソプラノ)
ロベルタ・マメリ(ドラベッラ/ソプラノ)
高橋 薫子(デスピーナ/ソプラノ)
櫻田 亮(フェルランド/テノール)
大山 大輔(グリエルモ/バリトン)
フルヴィオ・ベッティーニ(ドン・アルフォンソ/バリトン)

合唱:北区民混声合唱団

衣装製作:有松陽子

世界的古楽器奏者、寺神戸の名前に惹かれてチケット購入。古楽器オーケストラによるオペラを聴けるのはなかなか貴重。僕はそもそも古楽器による演奏を聴くのも二回目。
さていささか結論めくが、この日の演奏、大満足。多少の傷やキャストの弱いところもあったが、全体的にはレベルの高い公演だったと思う。
まず最初にあげたいのがドラベッラのロベルタ・マメリとアルフォンソのフルヴィオ・ベッティーニ。
ロベルタ・マメリの声がすばらしい。伸びがあって透明感があって美しい上に声量が十分。出そうと思えばまだまだ声量はありそう。今日は共演者とのアンサンブルでこのくらいといった感じ。主にバロックを歌っているそうだが名前を憶えていたい。演技力もあって、体は大きいがチャーミング。
フルヴィオ・ベッティーニは声もよく出ていたし、歌もすばらしいのだが、何よりも演技がすごい。アルフォンソは狂言廻し的な役だが今日は黒幕=主役に見えた。アドリブによる小さなくすぐりもあちこちにいれて、ちょっとした仕草で客席が沸いていた。声質、声量もピッタリ。ドン・ジョバンニのレポレロもとても似合いそう。
高橋薫子は9月の藤原・セビリア以来だが演技・歌の表情付けが素晴らしい。今日はちょっとお茶目な声に聴こえたがちょっと声優さんみたい。ミュージカルやアニソンが似合いそうな歌声に聴こえた。彼女の演技も良かった。
森麻季は何度か聴いた時、声量が足りなくてあまり印象が良くなかった。この日は前半はやや物足りなかったが徐々に声が出てきて後半は彼女の美しい高音を味わうことができ満足できた。
男性人はもうひとつ。桜田は時折良い声が聴こえるが全体的には声が足りず物足りない。大山は声は結構出ているのだが、この役には少し声が低すぎるのではないか?役の中で声が埋没してしまったようで勿体ない。
寺神戸亮率いるレボレアード(オリジナル学期使用の古楽オーケストラ)は好演。ホルンの傷など結構大きかったが、それを補って余りある古楽器によるノンビブラート双方による美しい音色など、大変楽しめた。古管楽器の響きも貴重。(ホルンは現代のものでも難しいから、あれは大変だよね、と少し同情)
演奏会形式で、舞台装置はいくつかの譜面台とテーブルに椅子。譜面は各自がもって、その時その時おの立ち位置の譜面台を使って歌う。譜面台がない場所では譜面を持って歌う。そんな状態の割にはしっかり演技がついていた印象なのが不思議。思うにつまらない舞台装置で歌手が棒立ちで歌うなら、今日のような上演の方がよっぽど良い。
素晴らしい公演でした。ブラボー北とぴあ!

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大興奮!マゼール/東響/マラ1(2011年11月12日)

東京交響楽団創立65周年記念特別演奏会
2011 11/12(土) 6:00p.m. テアトロ・ジーリオショウワ
曲目
ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 作品21
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」

ベートーヴェン交響曲第1番。
皆、マゼールの登場を固唾を呑んで見守っている。いよいよ、出てくる、いよっ!千両役者。
ベートーヴェンの1楽章、オペラ序曲みたい。こんな曲だっけ?フィガロの結婚序曲みたいなに聞える。
聴衆も緊張しているが、オケも緊張しているみたい。そして、マゼールの要求は厳しい。特にスローテンポの中、ここまで!と思うくらいの弱音を要求。東響は弦楽器のピッチが信じられない位揃っていて、普通に弾く音がもの凄く美しかった。最初、ビオラの音の純度に呆気に取られ、次は2nd Vn。チューニングも相当気を使ったとみた。(違ったらすみません)。
ベト1は全体には特に変わったことはせず、立派なベートーヴェンだった。

そしていよいよマーラー1番。
何の予備知識もなく聴いたが、全体にテンポが遅く全体を通すと1時間にもなる。最近のマゼールはそのような指揮が多いようだ。一小節毎にマゼールが譜面を書き直したと思えるような演奏。何気なく弾き流せる所は一切なし。演奏者は大変。べートーヴェン以上に遅めのテンポでも極限の弱音を要求。そしてあちこちにマゼール節がちりばめられる。たとえばテンポが遅→速にかわる時、速くなるところの導入の1小節目をわざとゆっくり強調するように振る。小さな溜めなども散見。僕はこれが大好き。
2楽章ではエレガントなワルツになる所で1st Vnに振り返って溜めを作って棒を振る様が、もうカッコいいし美しいし。絵になる棒。それについて来る音楽が全く棒の通りの優雅さ。
そして4楽章はこれもかなりのスローテンポなのだが、このように振るとマーラー5番の4楽章アダージェットみたいな美しさ。1番にこんな音楽が隠されていたのか?余りの美しさに陶然となりながら聴いていたら思わず泣けてきた。ほかにはテンポチェンジの際、GPのように一度停めて振り直すところも何回か見られた。東響は異様な緊張感の中、1小節毎に指示があるような超スロー超弱音を求められながら限られたリハーサルの中でよくぞマゼールについて行った!時々緊張の余り怪しいところや管の傷もあり、4楽章フィナーレは刀折れ矢尽き果てたようだったが。マゼールにブラボー!東響全員にブラボー!

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November 16, 2011

残念。N響シナイスキーのマーラー(2011年11月12日)

2011年11月12日(土)
指揮 シナイスキー。

マーラー 交響曲第10番よりアダージョ。
交響曲 大地の歌。
指揮 ワレリー シナイスキー
アルト:マーンケ、
テノール:トレレーベン。


前半はマーラー10番。凄絶な1楽章。この曲、1楽章がこれだけすごいと完成したらどうなるだろうと思わせるような曲だった筈。ところがこの日は単なる前プロだったみたい。まず、ビオラのチューニングが悪い。音程が揃わず。演奏に緊張感が感じられない。聴衆もヌルい感じ。元々期待値が低いのか?

後半は大地の歌。オーケストラは頑張って弾いて(吹いて)いるようには見えるもののどうも心に染みてこない。
テノールが第一声から声量が足りなく残念。貧民席で偉そうなことは言えないが、遠いせいかと思ったらアルトの声は明るく響いた。もう少しテノールがちゃんと聴こえる席だったらもっと楽しめたかも知れない。
聴き手としては不完全燃焼。残念でした。

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November 13, 2011

都響、後期シリーズスタート(R・シュトラウス:家庭交響曲)!(2011年11月11日)

第725回 定期演奏会Aシリーズ
開演 2011年11月11日(金)
会場:東京文化会館
指揮:ヴォルフガング・ボージチ
ピアノ:フレディ・ケンプ

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調
R. シュトラウス:家庭交響曲

都響の定期は4月のアツモン以来だろうか?毎日忙しいので、行けるだろうかと思っていたが何とか着いた。
1曲目ピアノ協奏曲23番。
ボージチは手をひらひらさせた指揮。打点がわかりにくい。これで合わせられるの?プロってすごい。でもふんわりとした演奏が、ケンプのピアノの柔らかい演奏とマッチ。今日は1階前から4列目だったが都響の音は昔聴いたことがあるような何故か懐かしい響きを聴いた。ピアノのソロアンコールはショパン別れの曲。ケンプは日本語で曲を紹介。これも優しい「別れの曲」だった。
家庭交響曲は1曲目とは一転ニュアンス豊かな棒。1曲目はあんなにひらひらさせてたのに。特に時々為を作って音を爆発させるところは職人芸!都響も散漫になりそうなこの曲を爆演にせず美しく、熱く演奏。この曲、4部は夫婦の営みだそうだが、そんな感じは特にしなかった。あまりねちっこい官能を強調したシュトラウスではなかった。
5部では聴いているとふとマーラーを思い出すところがあったりして。
久しぶりの都響、結構楽しめました!

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小野和歌子のピグマリオンコンサート再び(2011年11月12日)

シャネルピグマリオンコンサート
メゾソプラノ 小野和歌子
ピアノ    古藤田みゆき

日時 2011.11.12 13:00
<ヘンデル>
歌劇『セルセ』より 「樹木の陰で」
オラトリオ『ヨシュア』より 「もし私にユバルの竪琴があれば」
<リスト>
私が眠りにつくときに
<ビゼー>
心を開いておくれ(スペインのセレナード)
<プーランク>
愛の小径

休憩

<ロッシーニ>
歌曲集『音楽の夕べ』 第9番 ヴェネツィアの競艇より
「競艇前のアンゾレータ」
「競艇中のアンゾレータ」
「競艇後のアンゾレータ」
スペインのカンツォネッタ
歌劇≪セミラーミデ≫より<麗しい光が>

アンコール
<ショパン>悲しみ(別れの曲)

シャネルによる無料のコンサート。二度目の参加。前半では「愛の小径」が親しみやすい曲だった。可愛らしいワルツでちょっとシャンソンのよう。ビゼー、心を開いておくれ(スペインのセレナード)の情熱も良かった。
後半得意のロッシーニ。ヴェネツィアの競艇は前回も聴いた楽しい曲。スペインのカンツオネッタは殆どカルメンみたい。この時代にもうこんな音楽があったのか。ロッシーニ、やるな!楽しい!最後は歌劇≪セミラーミデ≫から「麗しい光が」。ロッシーニ節が楽しい。歌も情熱的で素晴らしかった。

アンコールはココ・シャネルの生きていた時代の曲ということで、1943年に仏独合作映画「別れの曲」からショパンの別れの歌に貸しをつけた「悲しみ」
昨日のアンコールもショパンの別れの曲。意外なところで被った!

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珍しくリストのピアノなど(2011年11月6日)

2011年11月6日(日) 15時開演 (14時30分開場)
第1回 超絶技巧の饗宴と多彩なる編曲
出演 : ダーヴィド・バール(ピアノ)
     松野弘明(ヴァイオリン)
曲目 : リスト:ラフォンのロマンス「船乗り」による協奏的大二重奏曲S.128
パガニーニ:24のカプリースOp.1 第9番 ホ長調、第24番 イ短調 リスト: パガニーニ大練習曲集S.141
 第5番 ホ長調「狩り」、第6番 イ短調、
 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネラ」
リスト:超絶技巧練習曲S.139 第12番 ロ短調「雪かき」
リスト:スケルツォと行進曲 new
リスト:聖ドロテア S.187
リスト:アヴェ・マリア(レーベルトとシュタルクの大ピアノ学校のために)S.182
ワーグナー=リスト:トリスタンとイゾルデより「イゾルデの愛の死」S.447
シューベルト=リスト:12の歌 より「アヴェ・マリア」S.558
ヴェルディ=リスト:「演奏会用の3つのパラフレーズ」より「リゴレット」S.434

リストはどうも馴染がなく敬遠してきた作曲家。ほとんど聴いたこともなくCDも何も持っていないのではないか?だが、今日聴いてみると意外にチャーミングなメロディや楽しげなメロディが多くて楽しめた。でも今日聞いた物もは超絶技巧が必要なようだ。今回の企画はリストの編曲物を特集している。
前半ではパガニーニの24のカプリースから。まずヴァイオリンで狩・ラ・カンパネラを演奏そして比較するようにピアノでも同じ曲を演奏。ただ「狩」のヴァイオリン、あれは音程があっていたんだろうか?。

後半、気に入ったのは「トリスタンとイゾルデ」より「イゾルデ愛の死」とヴェルディ=リスト「演奏会用の3つのパラフレーズ」より「リゴレット」。「イゾルデ愛の死」、オケで聴くよりピアノだけで繰り返されるフレーズに、官能を強く感じた。リゴレット。リストとプッチーニの時代ってこんな重なり方をするんだっけ?ピアノで弾いても編曲されてもいいメロデイはいいメロディだ。
アンコールは2曲。勿論リストからなのだが曲は不詳。

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